生協（コープ）の宅配弁当は、栄養士が監修したバランスの取れた食事が週5日自宅に届くサービスです。民間の宅配弁当サービスにはない「高齢者への見守り活動」や、厳しい基準による「食材の安全性」が大きな特徴です。

本記事では、生協の宅配弁当の具体的なメリットとデメリット、組合員になるための加入方法、そして利用料金（お弁当代・配達料）について、他のサービスと比較しながら詳しく解説します。

遠方の家族の食事や健康管理に不安がある方、日々の献立作成の負担を軽減したい方は、ぜひご検討ください。

生協（コープ）の宅配弁当とは？

生協（コープ）の宅配弁当とは、生活協同組合が組合員向けに提供する日替わり・週替わりの夕食（お弁当）の宅配サービスです。管理栄養士の知見が活かされた栄養バランスの整ったお弁当を、担当の配達員が指定の日時に自宅まで届けます。

高齢者や健康に配慮が必要な方、多忙で栄養バランスが偏りがちな方、妊娠中や産後の方など、幅広い世代の「食」の課題をサポートしています。

民間の宅配弁当サービスとの大きな違いは、生協が非営利の組合員組織である点です。そのため、単なる商品の販売だけでなく、地域での見守りや、食の安心・安全への徹底した配慮といった、組合員の生活向上に貢献する活動もサービスの根幹に組み込まれています。

生協（コープ）の宅配弁当の特徴・メリット

ここからは生協の宅配弁当の特徴やメリットについてご紹介します。

月～金の週5日間、夕食用の弁当をお届け

生協（コープ）の宅配弁当の最大の魅力は、献立を考える手間や調理の手間が省け、毎日（週5日）安定して食事を確保できる点です。

多くの生協では、月曜日から金曜日まで、あらかじめ決められた曜日と時間帯に配達担当者が届けてくれます。決まった曜日に配達してくれるため、日常のルーティンに組み込みやすく、食事の準備に悩む必要がなくなることは、大きな利点となります。

また、急な用事や不在時でも、多くの生協では保冷容器を利用した玄関先への留め置き（置き配）に対応しています。不在であっても商品を受け取れるのが魅力の一つです。

栄養士・管理栄養士が献立を監修し、栄養バランスも配慮

生協（コープ）の宅配弁当は、すべての献立を栄養士または管理栄養士が監修しています。

健康的な食生活を維持するためには、栄養バランスが不可欠です。一人暮らしの方は、つい食事の準備や栄養管理がおろそかになりがちです。また、高齢者や療養中の方にとっては、家事全般が大きな負担となります。加えて、自分で栄養計算をするのは手間がかかるため、なかなか手が回らないという方も多いでしょう。生協（コープ）の宅配弁当であれば、手軽に基準値内のカロリーや塩分量の食事を摂ることができます。

また、農薬や添加物の基準が厳しく設定されており、使用する食材の産地や履歴が明確に記載されています。安心・安全にこだわって作られているため、子どもから高齢者まで、安心して利用できるのも重要な利点です。

介護食や健康管理食など、目的に合わせた豊富な種類

生協（コープ）の宅配弁当は、一般的な食事（普通食）だけでなく、利用者の健康状態や目的に合わせた専門性の高い食事を選べる点も強みです。

例えば、

・糖尿病、高血圧、腎臓病などの慢性疾患を持つ方向けの低カロリー・低塩分な食事

・噛む力や飲み込む力が弱くなった方向けの介護食

などに対応しています。

出典：https://www.coop-takuhai.jp/haisyoku

 専門的な配慮が必要な食事でも継続しやすく、安心して利用できます。

配達時の「見守り活動」で高齢者も安心

生協（コープ）の宅配サービスは、遠く離れて暮らす家族の見守りの役割も担っています。 特に高齢者のご家族にとっては、これが最大の安心材料となることがあります。

例えば、「受け取りがない」「応答がない」など、普段と違う異変を察知した場合に、事前に登録された緊急連絡先や自治体へ連絡してくれます。 緊急時に限らず、生協の配達担当者が日常的に見守ってくれることは、ご家族にとって大きな安心感につながるでしょう。

生協（コープ）の宅配弁当のデメリットは？

次に、生協の宅配弁当のデメリットや注意点についてご紹介します。

事前に組合員になる必要がある

生協（コープ）のサービスは、組合員とその家族のためのものです。

そのため、宅配弁当を利用開始する前に、まずお住まいの地域を管轄する生協の組合員になるための加入手続きが必要です。この際に、出資金として1口数百円〜数千円の支払いが発生します。 出資金は利用には必須ですが、退会時に全額返還（払い戻し）されます。

各生活協同組合によって設定されている出資金が異なっているため、ご自身のお住まいのエリアでどの生協に加入できるかを確認してみてください。

▼東京都の生協の例

組合名	出資金	公式サイト
東都生活協同組合	1口500円	https://www.tohto-coop.or.jp/index.php
生活協同組合パルシステム東京	1口1,000円	https://www.palsystem-tokyo.coop/
生活クラブ生活協同組合 東京	加入後10ヶ月までは500円、11カ月以降は毎月1,000円（その他オプション料金等あり）	https://tokyo.seikatsuclub.coop/
自然派くらぶ生活協同組合	加入時1,000円、その後毎月500円～	https://www.shizenha-club.com/

 

配達まで時間がかかる

生協の宅配弁当は、週に一度、決まった曜日に配達されます。そのため、「今すぐ欲しい」「明日までに必要」といった急なニーズには対応できないというデメリットがあります。

また、配達は地域やルートによって曜日と時間帯が決められており、個別の指定ができません。不在時は留め置き（置き配）に対応していますが、直接受け取りたい場合、配達時間帯が日によって前後する可能性がある点も注意が必要です。

メニューの選択肢が少ない・ボリュームが控えめな場合がある

生協（コープ）の宅配弁当（日替わり・週替わり食）は、「健康的な食事を継続的に提供すること」を目的としているため、メニューの選択肢や量について、物足りなさを感じる場合があります。

日替わり弁当の場合、基本的にはその週の献立が一種類に決まっており、毎日自分でメニューを選べるわけではありません。また、市販のボリュームのあるお弁当と比べると、量が控えめに感じられることがあります。特に若い世代や男性など、しっかり食べたい方には少し満足感が得られない可能性があります。

生協（コープ）の宅配弁当の利用方法・流れ

生協（コープ）の宅配弁当を利用開始するまでの流れは、大きく分けて以下の3つのステップです。 民間のサービスと異なり、最初に組合員になる手続きが必要です。

①利用可能な生協を探し、資料請求・利用申し込みをする

まず、お住まいの地域で生協（コープ）の宅配弁当サービスを提供している団体を特定します。 生協は地域ごとに独立しているため、全国どこでも同じサービスが受けられるわけではありません。 公式Webサイトなどで、ご自身の住所が配達エリア内かを確認したら、資料請求をしてお弁当の種類や料金について把握しましょう。

②出資金を支払い、必要書類を提出して組合員になる

生協（コープ）の宅配弁当を利用するには、組合員になることが必須です。利用申し込み後、続けて加入手続きを進めます。 組合員になるための出資金を支払い、加入申込書を提出します。この時並行して宅配サービス（宅配弁当を含む）の利用登録も行いましょう。

手続きは、担当者の訪問や、郵送、またはオンラインで済ませることができます。。手続き完了後、正式に組合員としてサービス利用が可能になります。

③注文して配達開始

加入手続きが完了すれば、いよいよ宅配弁当の注文・配達開始です。 紙の注文書もしくはインターネットから配達してほしいお弁当を注文します。 注文が完了したら、指定された曜日と時間帯にお弁当が届きます。

生協（コープ）の宅配弁当の料金・配達料

生協（コープ）の宅配弁当の料金は、1食あたり500円～700円が相場です。 栄養管理や特殊な加工が必要な介護食・制限食は、料金がこれよりも高くなる場合があります。

お弁当代とは別に、一回の配達ごとに配達料（手数料）もかかります。ほとんどの生協で、1回あたり100円〜250円程度が相場です。

▼東京都の生協の例

組合名	配達料（個人宅配）	公式サイト
東都生活協同組合	基本手数料146円＋配達手数料52円	https://www.tohto-coop.or.jp/index.php
生活協同組合パルシステム東京	2,000円未満248円 2,000円以上198円 5,000円以上165円 12,000円以上無料	https://www.palsystem-tokyo.coop/
生活クラブ生活協同組合 東京	注文１回につき 100円～250円（税抜）	https://tokyo.seikatsuclub.coop/
自然派くらぶ生活協同組合	基本手数料165円＋宅配料132円	https://www.shizenha-club.com/

まとめ

生協（コープ）の宅配弁当は、日々の食卓に安心とゆとりをもたらしてくれる、安心して利用できるサービスです。 高齢者や子育て世帯はもちろん、栄養バランスに配慮した食事をしたい人や、調理の手間を省き、時間を有効活用したい人にもおすすめできます。

お住まいの地域によってサービス内容、料金、お弁当の種類が大きく異なるため、まずはご自身のエリアを管轄する生協のウェブサイトで資料請求をしてみてください。