高齢者向けの宅食サービスがたくさんある中で、いざサービスを利用してみようと思った時にどこがいいのかいまいちよくわからない。祖父や祖母だけでしっかりとサービスを活用できるのか。そんな経験や悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

高齢者向けの宅食サービスを選ぶ際には、ダイエットや健康づくりを目的とした宅食サービス選びとはちがったいくつかの視点が重要となります。

本記事では、高齢者向けの宅食サービスを選ぶ際に注意すべきポイントやおすすめの宅食サービスを7つご紹介させていただきます。継続して利用をしていくことが多い宅食サービスですので、契約前に各社の違いや使い方をしっかりと把握してうまくサービスを活用してみてください。

高齢者向けの宅食サービスの選び方

高齢になるにつれて、食事の際に必要な量や栄養素は年々変化をしていきます。一方で調理が苦手、栄養素について知識がないと言った方も多いのではないでしょうか。

そんな方の悩みを解決するサービスとして宅食弁当があるのをご存知でしょうか。1食ごとにパッケージされ、温めるだけで手軽に食べることができるので人気を集めています。本記事では、そんな高齢者向けの宅食サービスを選ぶ際のポイントやおすすめの会社をご紹介させていただきます。

栄養バランスを確認

高齢者の場合、1食あたりの食事量を成人に比べ多く摂ることが難しくなります。そのため少量で、バランスの取れたメニュー構成が重要となってきます。

宅食弁当の多くは管理栄養士などの専門家が考えたバランスの取れたメニューを提供しています。そのため自炊では難しい、栄養バランスの管理をしっかりと行うことができます。

また会社によっては、糖質制限・脂質制限といった健康状態に合わせたメニューを提供しているのもおすすめのポイントです。どのコースにしたら良いか判断できない場合などは、サポートセンターで相談にのってくれますのでこちらもぜひ活用をしてみてください。

注文のしやすさを確認

高齢者の中には日々の注文の手続きがめんどくさい、インターネットが苦手といった方も多いです。そのため、注文のしやすさもサービスを利用する上では事前にしっかりとした確認が必要です。

現在の主流はインターネットでの注文ですが、電話やFAXといった手段でも受付を行っている会社がたくさんあります。また支払の方法もクレジットカードだけではなく、代引きや銀行振込などが用意されている場合がありますのでこちらも合わせてご確認ください。

定期便の有無を確認

長期的に宅食サービスを利用していくのであれば、定期配送に対応している会社を利用することで注文忘れを防ぐことができるので大変便利です。また、定期配送を利用すると1食あたりの価格が安くなるといったメリットも用意されています。

定期配送には最初に決めたメニューが毎回送られくる場合と、違った献立で毎回送られてくるパターンの2つが主に用意されています。これから利用する会社がどちらの形態でサービスの提供を行っているか事前に必ず確認してください。

決まったメニューが送られてくる場合であっても、ご自身のリクエストでメニューの変更ができる会社がほとんどです。注文には少しの手間がかかりますが、メニューに飽きてしまうといった事はありませんのでご安心ください。

保存状態を確認

最後に、お弁当がどのような状態で自宅に届けられるかも見逃すことのできない重要なポイントです。宅食弁当には冷凍食と常温食の2種類が用意されています。

冷凍食は凍った状態で自宅に届くため、食べる前には電子レンジで使用し解凍を行います。常温食はコンビニなどで売られているお弁当同様に、そのまま食べることが可能です。

また状態により配送の仕方も異なり、冷凍食は数食分をまとめて配送、常温食は毎日配送となっています。各社のサービス紹介でそれぞれのメリット、デメリットについては詳しくご紹介をいたします。

注文前にはどちらが自分のニーズに合っているのかを検討してみてください。

高齢者の方におすすめな宅食サービス7選

ここからは、高齢者向けにおすすめの宅食サービスを7つご紹介いたします。各社の料理の特徴はもちろん、価格設定や注文方法など実際に利用する際に気になるポイントに焦点を当てて解説をいたします。

どのサービスも高齢者にとってもわかりやすく、使い勝手の良いサービスばかりですがそれぞれの違いをご理解いただき、ご自身のニーズに合った最適なものを選択ください。また、たくさんサービスがあって違いがよくわからないという方もぜひ最後までご覧ください。

ナッシュ（nosh）

ナッシュは全てのメニューを自社のシェフと管理栄養士により製造を行い、健康的で美味しい料理を気軽に食べることができると世代を問わず人気集めている宅食サービスの一つです。全てのメニューは、塩分2.5g以下、糖質30g以下に制限されて調理がされているためどのメニューを選んでも健康的な食事を摂ることができます。

注文の際には、定期配送間隔（1・2・3週間に1回）と配食数（6・8・10食）を選択し、好きなメニューを選ぶだけととってもシンプルです。ナッシュでは決まったセットメニューではなく、常時用意されている60食以上のメニューの中から自分で選ぶ選択方式を採用しています。

そのため健康を配慮しながら、好きなものを食べることができる点がおすすめのポイントです。注文方法はインターネット・電話どちらでも可能です。

お弁当は冷凍された状態で自宅に届き、温めるだけで食べることが可能です。またナッシュでは容器の小型化にも取り組んでおり、冷蔵庫の中で場所を取らない工夫もされています。

ナッシュ（nosh）の口コミ

在宅ワークの昼ご飯に悩みまくり、今ようやく落ち着いたのがnosh（ナッシュ）。

・おいしい
・低カロリー
・レンチンですぐ食べられる
・比較的安い
・パッケージが燃えるゴミなので片付け楽

4枚目の段ボールに10食分入ってます。思ったより冷凍スペースとらなくて助かる！！ pic.twitter.com/qRSUCTPKhH

— ヒナ@5才長男と3才次男とチワワ♂ (@hinamama_cm) May 10, 2021

ナッシュ（nosh）の口コミを見てみると、味や栄養面についてはもちろんのこと配送される容器などについても好意的な評価を見つけることができます。ナッシュでは弁当箱の小型化や素材にもこだわり、環境にも配慮した取り組みを行っています。

宅食弁当の保存には冷凍庫のスペースを確保する必要があるため、このような活動はユーザーにとっても嬉しい取り組みの一つと言うことができます。

食卓便

食卓便は病院や老人ホームなどに配食サービスを行っている、日清医療食品が提供している宅食サービスです。160種類以上あるメニューの中から週替りで7つの料理が届く「おまかせコース」と病状などに合わせた7つの「ケアコース」、好きなものを選んで注文ができる「お好みセレクトコース」と合計8つのコースを用意しています。

どのメニューも管理栄養士が監修を行い、栄養バランスと味に配慮された内容となっています。ケアコースではさらに、塩分やタンパク質など用途に合わせて制限がされています。

一番人気は「おまかせコース」です。定期コースを利用すると、毎週1週間分の7食がセットになって自宅に届きます。おまかせコース内には、A・B・Cセットの3パターンが用意されているため3食すべてを宅食でまかなってもメニューが被らない配慮がされています。自宅には冷凍された状態で配送され、インターネット・電話のどちらからでも注文が可能です。

食卓便の口コミ

宅配冷凍おかずの「食卓便」、今日は「牛すき焼き関西風（うどん入り）」でした。

塩分相当量1.6gなのに普通においしいのがすごい。

ワンプレートあたりの塩分量が2.0以下の塩分ケアコースってのを頼んでるんですが、どの献立もおいしいんですよねえ…。 pic.twitter.com/JF3qfsF0qX

— きりなし (@kirinashi_tw) May 8, 2021

食卓便の口コミを見てみると、管理栄養士が考え抜いて作られたメニューであることから、制限食でありながら美味しさを失っていないことがよくわかります。

また1食あたり5品の品目構成になっているため、いろいろなものをバランス良く食べることができるのもユーザーにとっては嬉しいポイントです。自分自身で栄養を考えながら同様の調理をするのはなかなか難しいため、宅食弁当を利用する一つのメリットとも言えます。

ワタミの宅食

居酒屋チェーンなどを全国に展開しているワタミグループが実施している宅食サービスがワタミの宅食です。ワタミの宅食では、冷凍のお弁当ではなく担当のスタッフができたてのお弁当を毎日自宅に届けるサービスが人気を集めています。

メニューは品数やカロリー量の違いにより基本的に6種類のコースを用意しています。どの料理もプロの料理人や管理栄養士が食材選びからこだわって作っているため、味と栄養バランスの両方を満たす評価の高い食事となっています。

注文の際には、定期コースや必要な日だけ注文するなどニーズに合った選択ができるのもユーザーには嬉しいポイントです。また自宅に届ける際に安否確認をするサービスも行っていますので、高齢者の一人暮らしの強い味方となっています。

インターネット・電話のどちらでも注文が可能ですが、常温食のお弁当のためサービス提供エリアに制限があるので注意が必要です。ご自身の住まいがサービスエリアかどうかは、公式WEBで確認が可能です。

ワタミの宅食の口コミ

86歳の祖母 #ワタミの宅食 の #まごころ手鞠 「肉じゃがコロッケ弁当」を食す🍽️

肉じゃがコロッケは外はサクッと中はふわふわ。
副菜も野菜たっぷりで満足とのこと。

ワタミの宅食のお弁当はどれもおいしいらしい😊
一人暮らしの祖母の安否確認もしてくれており大変感謝してます🙇‍♀#えんと弁当 pic.twitter.com/uFGH0cLCwj

— みどり (@entbento) June 27, 2022

ワタミの宅食の口コミを見てみると、常温弁当という特徴から揚げ物で重要な外はサクサク、中わふわふわを保ったままユーザーのもとに届けられていることがわかります。

これは地域に密着をし、配送までに時間をかけないサービスの特徴がはっきりと分かるコメントの一つです。また、単にお弁当を届けるだけでなく安否確認もしてくれるので一人暮らしの高齢者を抱える家族にとっても心強いサービスとなっています。

ウェルスダイニング

ウェルスダイニングは食事制限や健康管理に重点においたメニューを提供する宅食サービスを展開しており、高齢者のみならず自宅療養中の方などからも人気を集めるサービスの一つです。

塩分・糖質・タンパク質・カロリーといった健康管理に必要な食事制限に合わせて、6つのコースが用意されています。どのコースが健康状態に合わせて最適かわからない場合には、管理栄養士に直接相談できるホットラインが用意されているのもおすすめのポイントです。

注文の際には定期配送間隔（1・2・3週間、月1回）と配食量（7・14・21食）から選択が可能です。定期コースを利用すると通常770円かかる配送料が385円になる嬉しいサービスも実施しています。注文方法はインターネット・電話のどちらでも利用可能です。

また、冷凍状態のお弁当は3ヶ月間の保存が可能です。旅行などで自宅を不在にする場合で無駄にすることはありません。定期配送を利用している場合でも、電話１本で配送の一時停止にも対応しています。

ウェルスダイニングの口コミ

ウェルスダイニング
気配り宅配食→カロリー制限緩め
「チリソースミートボール」

・カロリー246kcal
・たんぱく質10.4g
・脂質14.4g
・ご飯中盛250kcal

・ミートボール○
・キャベツの炒めもの○
・ほうれん草の和え物○
・ひじき○

こっちの方が凝ってて美味しい😌#ベルーナはしばらく食べない pic.twitter.com/XdINg4i0HM

— やっちゃんねる (@yachannel99) February 21, 2020

ウェルスダイニングの口コミを見てみると、料理で使用するソースの中にとうもろこしなどを入れ工夫を凝らした調理をしていることがわかります。

どの料理もひと手間を加えることでオリジナルメニューとして改良を加え、定期利用でもユーザーが飽きることなく食事を楽しむことができるようになっています。

つるかめキッチン

つるかめキッチンは、高齢者の食に関する悩みに合わせて5つのコースの制限食を提供しているサービスです。

一番の特徴は全てのコースに専門の医師や管理栄養士が監修を行い、調理を行っている点です。例えば、塩分制限気づかい御膳では日本内科学会認定の杉原徳彦先生が監修を行い、塩分量2.0g以下、カロリー300kcal以下でありながら出汁などをうまく活用し、風味豊かな味わいの料理を提供しています。

注文の際には定期配送間隔（1・2・3週間、月1回）と配食量（7・14・21食）から選択が可能です。おすすめは定期配送コースでこちらを利用すると、商品代金が通常価格から28％オフになるだけでなく、送料が無料になる嬉しい特典がついてきます。また嬉しい特典の付く定期コースですが、解約や一時停止はいつでも可能で安心して利用ができます。

注文方法はインターネット・電話のどちらからでも可能ですが、電話の場合は平日の9時から17時までが受付時間となります。土日や深夜の注文はインターネットからのみとなりますので注意が必要です。

つるかめキッチンの口コミ

土曜日お仕事終わりです😊
つるかめキッチンの「豚肉とアスパラのピリ辛炒め弁当」🍱
こちらは『カロリー制限気づかい御膳』のメニューです。
ほんのりピリ辛なのがおいしい。
色んな具材が入ってるけど、とくにタケノコとキクラゲのコリコリ食感がいいですね😆#つるかめキッチン pic.twitter.com/VF18Omev78

— しゅう@宅配弁当365日 (@singlemeallife) December 17, 2022

つるかめキッチンのコメントを見てみると、食事制限などをしている人でも様々な味を楽しめるよう数多くの食材を利用したメニューを提供していることがわかります。

制限食は味気ないものばかりではないか。と思われている方にはぜひ一度食べていただきたいメーカーの一つです。またうまく食材を活用し、食感にアクセントを付ける工夫をしているのも人気の秘訣の一つです。

やわらかダイニング

やわらかダイニングは咀嚼の力が衰えてきた高齢者向けに、食べやすい食事を提供する宅食サービスです。食事のやわらかさに合わせて３つのコースが用意され、それぞれのニーズに合った食事をすることができます。

やわらかダイニングではやわらかさを追求するだけでなく、食べる楽しみを失わないように和洋中様々なメニューを用意しているのも特徴の一つです。また見た目にもこだわった調理がされているため、冷凍食でありながら彩りも豊かなお弁当となっています。

注文の際には定期配送間隔（1・2・3週間、月1回）と配食量（7・14・21食）から選択が可能です。また定期配送を利用すると通常770円がかかる配送料が385円になりお得に利用をすることができます。

注文方法はインターネット・電話のどちらからでも可能で商品到着後の保存期間は約3ヶ月です。日持ちがするため保存食としての活用も可能です。

やわらかダイニングの口コミ

やわらかダイニング・ムースやわらか宅配食「さばの照焼きセット」を食べました👍🍱

やわらかダイニングはムース食だけお試しセットができたのでさっそく注文。母と妻と少しずつ味見。母はさばやキャベツや椎茸の味がはっきりしていて良い、とのこと。亡くなった父にも食べてもらいたかったです。 pic.twitter.com/KoxOZoSSw4

— こせたん@宅配弁当・冷凍弁当・宅食 (@kosetan2018) July 10, 2022

やわらかダイニングの口コミを見てみると、ムース食でありながらもしっかりと食材の味わいを感じることができると好意的なコメントが寄せられています。

体力や健康に課題がある高齢者の場合、食が日常の中でとても重要な楽しみの一つとなる場合があります。その楽しみを食事制限などがかかる人からも奪わないように献立を配慮している、やわらかダイニングの優しさを感じることができます。

わんまいる

わんまいるはここまで紹介をしてきた宅食サービスとは少し異なり、冷凍ミールキットと呼ばれるタイプで宅食サービスを実施しています。冷凍ミールキットとは、調理済みのお料理を真空パック状にし冷凍したものを指します。

食べる前にはメニューに合わせて、湯煎もしくは冷水を使い解凍します。お弁当タイプとは異なり、できたてに近い味わいを楽しむことができるのが特徴です。

また栄養面においても管理栄養士が監修を行い、全てのメニューがカロリー400kcal以下、塩分3.5g未満、糖質30g以下に制限されているため安心して食べることができます。

注文の際には定期配送間隔を1または2週間のどちらかから選択が可能です。1週間間隔の配送の場合、1食（主菜1品、副菜2品×5食分）×5回分が送られてきます。注文方法はインターネット・電話のどちらからでも可能です。お弁当タイプではないため、もう１品おかずが欲しいといった主婦のニーズにも活用できるサービスです。

わんまいるの口コミ

妻がわんまいる・健幸ディナー（トレータイプ）「あじとごぼうのつみれと野菜の甘酢あん」を食べました🍴
「具材が大きくカットされており、食べごたえがあります😊酸味がしっかりめで、おいしいです✨野菜はシャキシャキ。レンジでこの食感が味わえるとは！」
レンジ解凍でベチャッとしないのは驚き！ pic.twitter.com/RPMJsI1OYG

— きいろ＠シニア向け宅配弁当ブロガー (@kimidori_blog) October 6, 2022

わんまいるの口コミを見てみると、冷凍食品でありながらも野菜のシャキシャキ感などできたてそのままの味わいを再現できていることがわかります。

また、一つ一つの野菜が大きめにカットされているのも食べごたえがありおすすめです。写真からも伝わる、冷凍食品とは思えない彩りの良い見た目も高評価につながるポイントの一つです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。高齢者向けの宅食サービスを選ぶ上でのポイントや、おすすめのサービスについて紹介をいたしました。各社それぞれに特徴を持ち、健康ニーズに合わせたお弁当を提供していることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

高齢者でも使いやすいように定期配送サービスや電話でのフォロー体制など各社サービスが充実しているのはユーザーにとっては嬉しいポイントです。健康や栄養面に配慮した食事を自分で作るには知識や経験が必要なため、挫折をしてしまうことが多々あります。

そんな失敗防ぐためにも、宅食サービスを上手く活用して日々の健康管理に努めてみてください。